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博物館で「できること」

フランスにある「ケ・ブランリ美術館」のHPを見ていたら、「ここでできること(ここでのあなたの権利)」が載っていて素敵だと思った。そういえば、博物館で「してはいけないこと」(飲食とか、走り回ることとか)はよく目にするけど、「していいこと」はほとんど見ない気がする。
博物館は「してないけないところ」ではなく、「していいこと、できることろ」と思ってもらえたら、博物館を利用する人の気持ちもずいぶん違うのではないかな。
それを博物館側がちゃんと表明することが大切だと思う。
ケ・ブランリやるなぁ。このあたり、真似したい。
そしていつか行ってみたい。

ケ・ブランリ美術館

(め)
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by musume2016 | 2018-07-30 21:37 | 博物館を楽しむヒント | Comments(0)


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「MOVE いきものになれる展ー動く図鑑の世界にとびこもう!ー」@日本科学未来館(東京・お台場)に行ってきました。今回は(め)の、ちょっと辛口レポートです。

友人に「こんな展示やってるけど、実際はどんな感じなんだろうね、見てみたいね」と教えてもらって、とても気になっていた展覧会。東京に行く機会があったので、行ってきました。
そもそもこれは講談社が出している「動く図鑑」がテーマの、図鑑がもとになった企画展。図鑑がもとになっている、というのがポイント。タイトルから受ける印象から「図鑑に書かれている内容が立体的になっていて、自分も体験しながら生き物のことを理解できるのかな」という期待がありました。そして、この企画展のキャッチコピーは「なったらわかる、いろんなこと」。おお、何になれて何がわかるんだろう、と期待が高まる。

と、私と同じように「面白そう!」と思う人はたくさんいて、とっても混んでいました。11時にチケットを買う時点で「企画展に入れるのは午後2時30分からです」とアナウンスがありました。未来館の後に大阪のひらかたパークに巡回することは知っていたので、一瞬「ひらパーで見ようかな…」と思ったのですが、いやいや、せっかく来たし!と思い、チケットを購入。時間までは、未来館の近所をぶらぶらしたり、東京湾を見たり、お昼ご飯を食べたりして過ごしました。
ちなみに、未来館のすぐ近くには「船の科学館」という施設があって、久しく行っていなかったので行きたかったのですが、この日は休館日で残念でした。
【船の科学館】



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さて、2時近くになったので、会場に入るための列へ。ここで驚いたのは、展示室に入っても実際に「なれる」までにも待ち時間があるのを知ったこと。展示室の中もとても混雑しているようです。

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会場に入るとこんな感じ。混んでます~。

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とりあえず、入ってすぐにあったコーナー「スモールガーデン」に並ぶ。ここでは、ダンゴムシになれるようです。ダンゴムシはなぜ丸くなるのかを、ダンゴムシになることで理解するコーナー。わくわく。

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並んでいる途中には、説明パネルがあったり(写真がきれい)、

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クイズがあったり(ターポリン素材で、子どもたちの激しい扱いにも耐えられるようになってた)、

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図鑑が置いてあったりしました。なので、並んでて退屈…というのは、少しは緩和されました。

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さて、順番が回ってきて、一緒に行った子どもたちがダンゴムシになりました。親は、別に渡される棒(ダンゴムシを捕食する何かを模していると思われる形状)を渡されて、ダンゴムシになっている我が子をつんつんします。でも、子どもはダンゴムシの鎧を着ているからへっちゃら(ダンゴムシの体は丸くなって外敵から身を守ってる)というのを伝えたい体験でした。まぁ、なるほどね、へー、やりたいことは分かる、という感じ。
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次に並んだのは、「ワンダージャングル」。バシリスクという、水の上を走ることができるトカゲになって、同じように水の上を走ってみるという体験。実際は写真のような感じで、水の上に厚いビニールが敷かれていて、その上を猛ダッシュしました。
「え?バシリスクになれてないじゃん。バシリスクと同じしくみで水の上を走れてないじゃん」と思った私…。この時点で「なったらわかる、いろんなこと」じゃなくて、「ぜったいになれないからこそ、そのように生きている他の生きものってすげー!」っていうメッセージにしたほうがよかったんじゃないか、と思ってしまいました。

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今回一番ひっかかったのは「サバイバルオーシャン」。並んでいる時に読んだ説明では、ペンギンは歩くのは遅く、おなかで滑って移動したほうが早い、というのを理解するためにペンギンになるコーナー。でも、なぜかメガロドン(絶滅した大きなサメ)の説明パネルも。なんか嫌な予感…。

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とりあえず、子どもたちはペンギンになる。これはこれでかわいい。ついでに私も着させてもらった。

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で、やはりこうだった…。
腹ばいになって緩やかな滑り台のような坂を滑っていく、その先には口を開けたメガロドン、というつくり。
私の疑問は2点、メガロドンはペンギンを捕食していたのか?そして、ペンギンはおなかですべったほうが早く移動できると説明しながら、この体験ではわざわざ捕食されに行っている→ペンギンにとって有利な行動にも関わらず、わざわざ食べられに行くという体験が矛盾している。
たぶんこれがひらかたパークだったら、ここまで疑問に思わなかったかもしれない。架空の設定を楽しむ場所だと分かっているから。でもここは日本科学未来館=博物館で、博物館でこんな誤解が生じるようなウソを展示してはいけない。
また、この展示のもとになっているのは図鑑なんだから、誤解を与えるような見せ方をしてはいけない。図鑑の信頼度が落ちると思うんだけどな(少なくとも私はこの時点でMOVEは買わないと思った)。正しいことを正しく見せてほしい。おもしろおかしい演出で誤解を与えてはいけないと思う。
この体験が記憶に残って「メガロドンって、ペンギン食べてたんだ」と思ってしまったら、博物館としても図鑑としても大失敗だし重大な責任です。
なにより、こういう見せ方(食べられちゃうぞ、ガオー的な)をすれば人が喜ぶとか、お客さんが来るとか思って作ってしまうところが浅はかでいや。見る人を馬鹿にしてる。楽しいと喜ぶ人もいると思うけど、ここはやっぱり博物館で、図鑑がもとになっていて…と考えると、やってはいけない…ってか、だれか「それはダメです!」と止める人いなかったんかーい(怒)!!!
と、ここでモヤモヤMAXでした。

イマイチついでに、これも。
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いろいろな生き物の足跡のパネルですが、足跡の大きさは実物大じゃないし、歩幅も実際の通りじゃない。足跡の形は正しいのかもしれないけど、なんかあまり意味のないパネル。
全部が全部こうなのではなくて、なるほどと思うのもありましたが。そんなわけで、やりたいことは分かるけどメッセージとそれを伝えるための手法がイマイチ、見る人を馬鹿にしてるね、って感想でした。辛口すみません。

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最後に美しいモルフォチョウをどうぞ~。

■「MOVE いきものになれる展ー動く図鑑の世界にとびこもう!ー」@日本科学未来館(東京・お台場)
【会期】2017年11月29日(水)~2018年4月8日(日)

「MOVE いきものになれる展ー動く図鑑の世界にとびこもう!ー」@ひらかたパーク(大阪・枚方市)
【会期】2018年4月21日(土)~2018年8月26日(日)

行った日:2018年4月2日(月)
レポート:(め)


by musume2016 | 2018-07-08 04:01 | 展覧会見学記録 | Comments(0)